AI面接ツールとは?中小企業の採用担当者が知っておくべき仕組みと活用法

AI面接ツール
深澤 里奈
深澤 里奈 デジタル戦略コンサルタント

大手アパレル通販会社でECマーケティングを12年経験し、事業部長として採用DX・LINEミニアプリ・動画配信戦略の立ち上げを主導。2022年に独立後、年間30社以上の中堅・中小企業のデジタルツール選定・導入支援を実施。Kindle書籍『担当にされたら読む本』著者。

「AI面接って、うちの規模でも使えるの?」

採用DXに関心を持ち始めた中小企業の採用担当者から、よく聞かれる質問です。

大企業向けの解説記事が多い中で、この記事では中小企業の採用担当者が本当に知っておくべき情報に絞って、AI面接ツールの仕組み・種類・活用のポイントを現場の視点からお伝えします。

深澤 里奈 深澤 里奈

30社以上の導入支援をしてきた経験から言うと、「AI面接は大企業のもの」という先入観を持っている採用担当者がまだ多い。でも実態は違います。中小企業の採用規模に合ったサービスが確実に増えてきました。問題は「どれを選ぶか」であって、「使えるかどうか」ではなくなってきています。

この記事の結論

AI面接ツールとは、AIが面接官の代わりに候補者へ質問し、回答内容・表情・声のトーンを自動で分析・評価して、採用の一次面接を自動化するシステムです。AI面接には、録画で回答する録画型と、AIと会話しながら進める対話型の2種類があり、最終的な合否は人が判断するのが一般的です。採用担当者の工数削減と評価の公平化が主なメリットで、中小企業向けには「中途・即戦力採用への対応力」「採用規模に見合う料金体系」「採用担当者1人で運用できる操作性」の3点が選定の鍵になります。


AI面接ツールとは何か?

AI面接ツールとは、AIが面接官の代わりに候補者へ質問し、回答内容・表情・声のトーンを自動で分析・評価して、採用の一次面接を自動化するシステムです。

採用担当者の面接工数を大幅に削減しながら、一次選考を客観的なデータに基づいて実施できます。従来の面接では面接官の主観が評価に影響しがちでしたが、AI面接ツールはあらかじめ設定した評価基準でスコアリングするため、担当者が変わっても一貫した評価基準を維持できます。


AI面接の2つの形式

録画型

事前に設定された質問に対して候補者が録画で回答。AIが後からまとめて分析します。時間・場所を選ばず受験できるため、候補者の負担が少ないのが特徴。中途採用にも導入しやすい形式です。

対話型

AIとリアルタイムで会話しながら面接を進めます。回答に応じて追加質問が展開されるため、候補者の思考プロセスをより深く評価できます。新卒採用の一次面接で多く採用されています。

自社の採用形態(新卒採用/中途採用)に合った形式の選択が、最初の検討項目になります。各サービスがどちらに対応しているかはAI面接ツールの比較で整理しています。


AI面接とAI面談・Web面接システム・オンライン面接の違い

AI面接とAI面談・Web面接システム・オンライン面接の違いは、「誰が面接(面談)をするか」と「何のために使うか」です。AI面接はAIが面接官となる採用選考の仕組みで、Web面接システムとオンライン面接は、人の面接官がビデオ通話で面接する形を指します。

用語 面接・面談をするのは 主な用途
AI面接 AI(人は結果を確認して判断) 採用選考の一次面接・スクリーニング
AI面談 AI(社員の話し相手になる) 入社後の1on1・相談・人事評価面談など
Web面接システム 人の面接官 ビデオ通話での面接の実施・日程調整・録画の管理
オンライン面接 人の面接官 ビデオ通話を使った面接全般の呼び方

AI面談は、採用後の社員を対象に、AIが1on1や相談の相手を務める仕組みです。採用選考で使うAI面接とは対象も目的も異なりますが、同じ対話型AIの技術を使い、AI面接とAI面談を同じブランドで提供するサービスも出てきました。仕組みと活用法は「AI面談とは?」で解説しています。

「Web面接システム」「オンライン面接システム」で探している中小企業の場合、面接そのものを減らしたいのか、面接の場所と移動の負担を減らしたいのかで選ぶべきものが変わります。一次面接の回数そのものを減らしたいならAI面接、人が面接する前提で移動や日程の負担を減らしたいならWeb面接システムが向いています。録画選考やWeb面接とAI面接を1つのサービスで提供している製品もあるため、両方を検討する場合は組み合わせで比較すると無駄がありません。


AI面接ツールが普及した3つの背景

AI面接ツールが中小企業にも普及した背景は、採用応募数の増加と担当者の工数不足・オンライン採用の定着・AI分析精度の向上の3点です。

「なぜ今、AI面接ツールが注目されているのか?」

中小企業でも現実的な選択肢として広まってきた背景には、次の3つの変化があります。

  1. 採用応募数の増加と担当者の工数不足
    オンライン採用が一般化し、応募数は増加傾向にある一方、採用担当者の人数は変わっていない企業が大半です。一次面接の自動化ニーズが高まりました。
  2. オンライン採用の定着(2020年以降)
    ビデオ面接が当たり前になったことで、「AIが面接する」ことへの心理的抵抗が候補者・企業ともに下がりました。
  3. AI分析精度の大幅な向上
    音声認識・自然言語処理の技術進歩により、人間の面接官と遜色ない一次スクリーニングが実現できるようになっています。

対話型AI面接とは?就職サイト・求人サイトへの標準搭載の動き

対話型AI面接とは、AIが面接官として候補者と会話し、回答に応じて深掘りの質問を重ねながら評価するAI面接の形式です。2026年には、就職サイトや求人サイトがAI面接を標準機能として組み込む動きが出てきました。

これまでAI面接は、企業が個別にツールを契約して自社の選考に組み込むものでした。ここに、応募の入口である就職サイト・求人サイトの側にAI面接を組み込む動きが加わっています。時点で公表されている主な事例は次の2つです。

  • ドライバー求人サイト「ドラEVER」
    株式会社ドラEVERが、応募直後にスマートフォンで受けられるAI面接機能を、追加料金なしで標準搭載しました。提供開始はです(同社の発表による)。
  • 就職サイト「ログナビ」
    に株式会社アスパークと株式会社Hitotechnologyの共同事業として、就職サイト「ログナビ」へのAI面接標準搭載が発表され、夏頃のリリース予定とされました(株式会社Hitotechnologyの発表による)。2026年10月時点で、提供開始の告知は確認できていません。

求人サイト側にAI面接が組み込まれると、候補者が応募の流れの中でAI面接を受ける場面が増えます。中小企業にとっては、AI面接が「一部の大企業だけが使う特別な選考」ではなくなりつつある、という変化です。

一方で、候補者の受け止め方は分かれています。マイナビの「2027年卒 大学生キャリア意向調査4月」(調査期間2026年4月25日〜30日、有効回答1,258名)では、企業からAI面接を提示されると受験意欲が下がる(「どちらかと言えば」を含む)と答えた学生が51.1%でした(マイナビキャリアリサーチLabによる)。AI面接を使うかどうかに加え、なぜAI面接を使うのか、AIの評価をどう扱うのかを候補者に説明できるかが問われます。応募者体験や公平性の注意点は「AI面接のデメリットと対策」で整理しています。

深澤 里奈 深澤 里奈

求人サイトにAI面接が入ってくると、「AI面接を入れるかどうか」より「AIの評価を自社の選考でどう使うか」を先に決めておく必要が出てきます。支援の現場でも、評価基準を決めないままAIのスコアだけを見て迷ってしまう担当者を何度も見てきました。ツールが先に来ても、何を見て合否を決めるかは自社で言葉にしておく。ここだけは外せません。


AI面接ツールのメリット・デメリット【中小企業視点】

AI面接ツールの中小企業にとっての主なメリットは採用工数の削減と評価の公平化、デメリットは少数採用での費用対効果の悪化と一次選考での人間的接点の減少です。

「いいことばかりじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。導入を判断するために、中小企業の視点からメリットとデメリットの両面を正直にお伝えします。

担当にされたら読む本

「デジタルツールは、選んで終わりではなく使い続けることで価値が生まれます。導入前にデメリットを正直に把握している会社の方が、結果的に定着率が高い。都合の悪い情報から目をそらさないことが大事です。」

メリット
  • 採用担当者1〜2人でも大量の一次面接に対応できる
  • 日程調整・会場確保の工数がゼロになる
  • 面接官のバイアスを排除し、公平な一次評価ができる
  • 遠方・地方の候補者ともスムーズに接触できる
  • 24時間365日、候補者が都合の良い時間に受験できる
デメリット
  • 一次選考で候補者と人間的なやり取りが発生しない
  • 年間採用数が少ない場合、月額費用が割高になることがある
  • 操作・設定に慣れるまで初期の学習コストが必要
  • 新卒一次面接向けの設計が多く、中途採用への対応が限定的なサービスがある

中小企業がAI面接ツールを選ぶ際の3つのポイント

中小企業がAI面接ツールを選ぶ際のポイントは、中途・即戦力採用への対応・採用規模に見合う料金体系・採用担当者1人で運用できる操作性の3つです。

AI面接ツールはたくさんのサービスがあって、正直どれを選べばいいか迷いますよね。中小企業が最初に確認すべきポイントは、実はシンプルに3つです。

  1. 中途・即戦力採用に対応しているか
    市場に出ているAI面接ツールの多くは、新卒採用の一次選考向けに設計されているんです。中小企業が主に行う中途採用・即戦力採用への対応力は、サービスによって大きく異なります。対応していない場合、設問設計の自由度が低く「使いにくい」と感じることになりがちです。
  2. 採用規模に見合う料金体系か
    月額固定型・従量課金型・回数プランなど、料金体系はサービスによってさまざまです。年間の採用人数が少ない場合は、固定費が低い従量型や初期費用ゼロのプランから検討してみてください。
  3. 採用担当者1人でも運用できるか
    設定・管理・レポート確認が、専任のIT担当者なしで完結できるかどうかが中小企業にとっての分かれ目です。各社の管理画面の使いやすさはAI面接ツールの比較記事でも整理しているので、デモを見るときは「自分1人で操作できそうか」を意識して確認しましょう。1人で回すのが難しい場合は、次に挙げる「運用まで任せられるか」もあわせて確認してください。

社内にAI面接の運用を担える人がいない場合は、ツールの機能や料金に加えて「運用まで任せられるか」を比較の観点に入れてください。AI面接の運用には、質問項目と評価基準の設定、候補者への案内と問い合わせ対応、評価結果の確認と合否連絡といった作業が続きます。どこまで支援を受けられるかはサービスごとに異なり、harutakaは専任担当者の伴走ありで操作代行は行っていない、SHaiNは導入後の継続サポートありで登録作業の代行は別途相談、と公式に案内しています。採用支援会社が提供するHitotech AIは、導入の流れに「運用体制の打合せ」と「各種設定」を含めています(いずれも時点の各社公式サイトによる)。運用を外部に任せる考え方は「AI面接の運用代行とは?」で、各サービスの支援範囲はAI面接ツールの比較ページで整理しています。

主要4サービスを「中小企業向けの対応力」「費用」「操作性」「運用支援」の軸で比較した記事はこちら。

AI面接ツールの比較ページを見る →

よくある質問

AI面接ツールは中小企業でも使えますか?

AI面接ツールは中小企業でも使えますが、年間の採用人数が少ない場合は月額費用が割高になるケースがあります。まずは自社の採用規模と費用が見合うかを確認することが先決です。採用人数が年間5名以下の場合は、従量課金型のサービスを優先して検討することをおすすめします。

AI面接ツールで最終採用まで完結できますか?

AI面接ツールは一次選考の効率化が主な目的です。最終採用判断は人間の面接官が行う設計が一般的で、AIはスクリーニングの補助ツールとして活用されます。AIの評価をあくまで参考情報として使い、最終判断は採用担当者が行う設計が現時点では主流です。

AI面接ツールの費用の目安はどのくらいですか?

AI面接ツールの費用は、採用規模・機能・サポート体制によって月額数万円〜数十万円と幅があります。詳しい費用相場はAI面接ツールの費用相場ページで解説しています。

候補者にとってAI面接は不利になりませんか?

AI面接は候補者が好きな時間・場所で受験できるため、対面面接の日程調整が難しい在職中の候補者には好評なケースが多くあります。ただし、AIへの回答に慣れていない候補者が不安を感じることもあるため、受験前のガイダンス・練習問題の提供が充実したツールを選ぶことが重要です。

対話型AI面接とは何ですか?

対話型AI面接とは、AIが面接官として候補者とリアルタイムで会話し、回答内容に応じて追加の質問を重ねながら評価する形式のAI面接です。決められた質問に録画で答える録画型と比べて、回答の背景や考え方まで掘り下げやすい点が特徴です。2026年には、就職サイトや求人サイトにAI面接を標準機能として組み込む動きも出ています。

AI面接とWeb面接システムの違いは何ですか?

AI面接とWeb面接システムの違いは、面接をするのがAIか人かです。AI面接はAIが面接官として質問し、評価結果をまとめます。Web面接システム(オンライン面接システム)は、人の面接官がビデオ通話で面接するための仕組みです。中小企業では、一次面接をAI面接で効率化し、二次面接以降をWeb面接や対面で行う組み合わせも選択肢になります。


まとめ

深澤 里奈 深澤 里奈

コストを重視するなら、私は「中途・即戦力採用への対応力」と「採用担当者1人で運用できるか」を最初の判断軸にすることをおすすめします。30社以上の支援経験で言えば、この2点を外したツールは結局使われなくなることが多いんです。次のAI面接ツールの比較記事で具体的なサービスを確認してみてください。

AI面接ツールとは、AIが一次面接を自動化するシステムです。

中小企業にとっては「採用担当者の工数削減」「候補者評価の公平化」が主な導入メリットですが、「中途・即戦力採用への対応力」はサービスによって大きく異なります。

ツールを選ぶ際は、自社の採用規模・採用形態・運用体制の3点を軸に比較してみてください。社内で運用を回す人がいない場合は、運用まで任せられるサービスかどうかも判断材料になります。

「どのAI面接ツールを選べばいいか」については、主要4サービスを中小企業向けの対応力・費用・設定のしやすさ・運用支援の観点で比較した記事を用意しています。ぜひあわせてご覧ください。

🤖 AI面接ツールの比較記事を読む ›

コメント