AI面接のデメリットとは、応募者が「AIに評価されること」に抵抗を感じて受験意欲が下がるおそれ、評価の根拠が見えにくく公平性を説明しにくい点、録画や回答という個人情報を多く扱う点の3つが中心です。いずれも、質問と評価基準を事前に決めて説明できる形にし、合否は人が判断し、利用目的を受験前に示すことで小さくできます。
「AI面接を入れたら、応募者に冷たい会社だと思われないか心配で……」
導入の相談で、効率化の話より先にこの不安を口にされる方は少なくありません。採用は会社の顔なので、手間が減る代わりに印象や信頼を損ねるなら本末転倒です。
この記事では、AI面接のデメリットを応募者体験・評価の公平性・就職差別につながる質問・個人情報・海外の規制動向に分けて整理し、それぞれの対策と、導入前に契約と運用で確かめる項目をまとめます。
AI面接のデメリットの全体像
AI面接のデメリットは、応募者体験の低下、評価の公平性と説明責任、就職差別につながる質問のリスク、個人情報の取り扱い、海外規制への対応の5つに整理できます。どれもツールの性能だけで決まるものではなく、質問の設計と運用のルールで大きさが変わります。
| デメリット | 何が起きるか | 主な対策 |
|---|---|---|
| 応募者体験の低下 | 「人に見てほしい」応募者の受験意欲が下がり、辞退につながる | AI面接を使う理由と、人が判断する段階を事前に伝える |
| 評価の公平性・説明責任 | 評価の根拠が見えにくく、偏りがあっても気づきにくい | 評価項目を自社で決め、根拠を確認できる設計にする。合否は人が判断する |
| 就職差別につながる質問 | AIの深掘り質問が、家族や思想など聞くべきでない領域に入る | 厚生労働省の考え方に沿って質問を点検し、禁止領域を設定する |
| 個人情報の取り扱い | 録画・音声・回答テキストなど、扱う情報が多く長く残る | 利用目的を受験前に示し、保管期間・AI学習への利用・委託先管理を決める |
| 海外規制への対応 | 海外の応募者や拠点がある場合、現地の規制が及ぶ可能性がある | 提供会社の対応方針を確認し、該当する場合は専門家に相談する |
※ 当サイトによる整理です。実際の影響の大きさは、職種・応募者層・運用方法によって変わります。
反対に、AI面接には24時間いつでも受験できる、面接官による質問や評価のばらつきを抑えやすい、一次面接の工数を減らせるといった利点もあります。AI面接の仕組みとメリットは「AI面接ツールとは?」で解説しています。この記事では、利点を生かすために押さえておきたい弱点の側を扱います。
応募者体験:AI面接は応募者にどう受け止められているか
AI面接に対する応募者の受け止めは賛否が分かれており、マイナビの2027年卒調査では、企業からAI面接を提示されると受験意欲が下がると答えた学生が51.1%、変わらないが42.1%でした。下がる理由の上位は「人に評価してほしいから」と「AI(機械)に判断されたくないから」です。
マイナビキャリアリサーチLabの「2027年卒 大学生キャリア意向調査4月<就活生のAI利用について>」(調査期間〜30日、2027年3月卒業予定の大学生・大学院生、有効回答1,258名、公開)の主な結果は次のとおりです。
| 項目 | 回答 |
|---|---|
| AI面接を受けた経験がある | 28.2% |
| AI面接を提示されると受験意欲が下がる(「どちらかと言えば」を含む) | 51.1% |
| 受験意欲は変わらない | 42.1% |
| 下がる理由:人に評価してほしいから | 55.2% |
| 下がる理由:AI(機械)に判断されたくないから | 50.9% |
| 上がる理由:緊張しなさそうだから | 50.6% |
※ 出典:マイナビキャリアリサーチLab。理由は複数回答で、割合は出典の図表に示された回答者数(下がる理由 n=681、上がる理由 n=78)に対する値です。
数字から読み取れるのは、応募者が嫌がっているのは「AIと話すこと」そのものより、「AIだけで評価が決まること」だという点です。一方で、緊張しにくいことを利点と受け止める人もいます。
つまり、応募者体験のデメリットは伝え方でかなり変わります。AI面接の結果だけで合否を決めないこと、どの段階で人が見るのかを、受験案内の時点で具体的に伝えるのが基本の対策です。新卒採用で使う場合の進め方は「新卒採用のAI面接」で詳しく扱っています。
評価の公平性とバイアス
AI面接の公平性の課題とは、評価の仕組みが見えにくいために、評価に偏りがあっても企業も応募者も気づきにくく、結果を説明しにくいことです。AIは人の気分や相性に左右されない一方、何を学習し、どの基準で点数をつけているかによっては、特定の話し方や経歴の人に不利な評価が続くおそれがあります。
偏りが生まれる3つの経路
- 学習データ
過去の採用実績や評価データをもとに評価する仕組みでは、過去の採用に偏りがあれば、その偏りが再現される可能性があります。自社の選考データがAIの学習に使われるのか、使われないのかも確認が必要です。 - 評価基準の透明性
評価項目と重みづけを誰が決めたのか、企業側で確認・変更できるのかが分からないと、評価が自社の求める人物像に合っているかを検証できません。 - 説明責任
応募者から評価の理由を尋ねられたときに、どの回答がどう評価されたのかを人が確認できなければ、説明ができません。評価レポートに根拠となる発言が示されるかどうかは、大きな違いになります。
AI面接の提供会社の中には、合否判断は必ず人が行う、応募者の個人情報をAIの学習に使わない、特定の属性で選別しないといった方針を公式サイトで示している例もあります。こうした方針が公開されているか、契約書や利用規約に書かれているかは、比較の際の確認ポイントです。
国のAI事業者ガイドラインも参照先になる
AIを使う事業者向けの国の指針として、総務省と経済産業省は「AI事業者ガイドライン」を公表しています。時点で確認できる版は、公表の第1.2版です(総務省の掲載ページ)。前版は2025年3月公表の第1.1版で、改訂が続いています。
AI面接を導入する企業は、AIを開発する側ではなく利用する側です。それでも、社内でAIの使い方のルールを決めるときや、提供会社に公平性や透明性への取り組みを尋ねるときの参照先として、公表されている版に目を通しておくと話が早くなります。
就職差別につながる質問をAIにさせない
AI面接で就職差別につながる質問を避けるには、厚生労働省が示す「本人に責任のない事項」と「本来自由であるべき事項」をAIの質問と深掘りの対象から外し、質問項目と評価基準を事前に決めておくことが基本です。対話型のAI面接は回答に応じて質問を重ねるため、人の面接と同じ注意がAIの設定にも必要になります。
厚生労働省は「公正な採用選考の基本」で、応募者の基本的人権を尊重し、適性と能力に基づいて選考することを求めています。そのうえで、次の事項を面接などで把握することは就職差別につながるおそれがあるとしています。
| 区分 | 主な事項 | AI面接で起きやすい場面 |
|---|---|---|
| 本人に責任のない事項 | 本籍・出生地、家族、住宅状況、生活環境など | 「強みはどんな環境で身につきましたか」への深掘りが、家族構成や実家の話に入る |
| 本来自由であるべき事項 | 宗教、支持政党、人生観、尊敬する人物、思想、労働組合、購読新聞・愛読書など | 雑談的なアイスブレイクで「尊敬する人」「最近読んだ本」を聞く |
| 選考方法 | 身元調査、必要性のない健康診断など | 回答内容から健康状態を推し量る評価項目を設ける |
※ 区分と事項は厚生労働省「公正な採用選考の基本」による。右列は当サイトが想定した例です。
同じページで厚生労働省は、面接の前に質問項目と評価基準を決めておくことも勧めています。AI面接は質問と評価項目をあらかじめ設定する仕組みなので、この考え方と相性がよい面もあります。問題になるのは、設定していない深掘り質問やアイスブレイクの中身を、企業側が把握していない場合です。
ここでは、当サイトが裁判所の公式サイトで事件番号と判決文を確認した判例を1件紹介します。AI面接について争われた事案ではなく、採用の場面で企業がどこまで自由に決められるかを考える前提として取り上げます。
三菱樹脂事件の最高裁判決は、企業には誰を雇うかを決める広い「採用の自由」があり、特定の思想・信条を理由に雇い入れを拒んでも当然に違法とはいえないと判断した判例です。
- 争点
- 企業が応募者の思想・信条を調べ、関連する事項の申告を求めたうえで、特定の思想・信条を理由に雇い入れを拒むことが許されるか。
- 判断
- 企業は特定の思想・信条を持つ者の雇い入れを拒んでも当然に違法とはいえず、採否の決定にあたって思想・信条を調査し、関連事項の申告を求めることも違法とはいえないとしました。判決は原判決を破棄し、事件を差し戻しています。
- 読者への教訓
- 判例上は採用の自由が広く認められています。一方で行政は、職業安定法第5条の5と同条に関する指針で、思想・信条や労働組合への加入状況などの個人情報の収集を原則として認めない立場をとり、厚生労働省も公正な採用選考の考え方を示しています。AI面接の質問設計では、判例の「採用の自由」ではなく、こうした法令と行政の指針を基準にするのが実務上の安全策です。
- 出典
- 最高裁判所大法廷 判決(昭和43年(オ)第932号 労働契約関係存在確認請求事件)民集27巻11号1536頁。裁判所ウェブサイトの判例情報/判決全文(PDF)
個人情報の取り扱いで注意すること
AI面接の個人情報の注意点とは、録画・音声・回答テキストという量の多い情報について、利用目的を特定して受験前に示し、目的の範囲内でだけ使い、要配慮個人情報や思想・信条に関わる情報を集めない運用を徹底することです。根拠となるのは個人情報保護法と、採用の場面に特有のルールを定めた職業安定法です。
個人情報保護法で押さえる4つの規定
応募者の録画や回答は個人情報にあたるため、個人情報の保護に関する法律の規定が関わります。AI面接に関係の深いものは次の4つです。
- 利用目的の特定(第17条):個人情報を取り扱うにあたって、利用目的をできる限り特定する。「採用選考のため」に加えて、AIによる評価に使うことや、入社後の配置に使うかどうかまで決めておくと運用がぶれません。
- 利用目的による制限(第18条):本人の同意なく、特定した利用目的の達成に必要な範囲を超えて扱ってはならない。選考のために集めた録画を、別の目的に流用しないことが前提です。
- 取得時の利用目的の通知等(第21条):取得時に利用目的を通知または公表する。本人から直接、書面(電磁的記録を含む)で取得する場合は、あらかじめ利用目的を明示する。AI面接では応募者本人から回答データを直接受け取るため、受験前の案内画面や案内文で利用目的を示しておく運用が安全です。
- 要配慮個人情報の取得(第20条第2項):人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴など(第2条第3項)は、例外を除き、あらかじめ本人の同意を得ずに取得してはならない。自由に話す形式のAI面接では、応募者が自分から病歴などに触れることもあるため、評価に使わない、記録の扱いを決めておくといった備えが必要です。
条文の解釈は、個人情報保護委員会の「個人情報保護法ガイドライン(通則編)」で確認できます。個別の運用が法令の要件を満たすかどうかは、必要に応じて専門家に確認してください。
職業安定法第5条の5と指針:採用ならではのルール
採用の場面では、個人情報保護法に加えて職業安定法第5条の5が関わります。労働者の募集を行う者は、業務の目的の達成に必要な範囲内で、目的を明らかにして求職者の個人情報を収集し、その範囲内で保管・使用することが求められます。本人の同意その他の正当な事由がある場合は例外とされ、個人情報を適正に管理する措置も求められています。
同条に関する指針(平成11年労働省告示第141号)は、原則として収集してはならない個人情報として、人種・民族・社会的身分・門地・本籍・出生地など社会的差別の原因となるおそれのある事項、思想及び信条、労働組合への加入状況を挙げています。収集は本人から直接など適法かつ公正な手段で行うこととされています(厚生労働省 新潟労働局の掲載ページ(抄録))。厚生労働省「公正な採用選考の基本」に沿った質問の点検は、個人情報の面からもこの指針と重なります。
生成AIに面接データを入力するときの注意
個人情報保護委員会はに「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」を公表し、事業者が個人情報を含むプロンプトを生成AIサービスに入力する場合は、利用目的の達成に必要な範囲内であることを十分に確認するよう求めています。
AI面接ツールそのものとは別に、面接の文字起こしを社内で汎用の生成AIに貼り付けて要約する、といった使い方が現場では起きがちです。応募者の個人情報をどのツールに入力してよいかは、AI面接の導入と同時に社内ルールとして決めておいてください。
海外の規制動向:EUは採用AIを高リスク用途に分類
海外では、EUのAI規則(EU AI Act)が、履歴書の選別など採用に使うAIを「高リスク」の用途に分類しています。高リスクのAIには、リスク管理、データの品質、ログの記録、人による監督などの義務が課されます。
欧州委員会のAI規則の解説ページによると、同規則はに発効し、原則としてを適用開始日としています。ただし採用などの高リスク用途に関する規律は、政治合意(いわゆるAI Omnibus)によりへ適用を延期する方針が示されています(時点)。規則の本文はEUR-Lexで公開されています。
国内だけで採用している中小企業に、EUの規則が直接及ぶ場面は多くありません。それでも、「採用に使うAIは人の監督が必要な高リスク用途」という考え方は、国内でAI面接を運用するときの目安になります。国内の提供会社にも、EUの規則を意識した品質基準を自主的に掲げる例があり、提供会社を比べる際に対応方針を聞いておく価値はあります。
デメリット別の対策チェックリスト
AI面接のデメリットへの対策は、応募者への事前説明、評価基準の自社決定と人による最終判断、質問の禁止領域の設定、個人情報の利用目的の明示と管理ルールの4つの領域を、導入前にそろえることです。次のチェックリストで、自社の準備状況を確かめてください。
応募者体験
- 受験案内に、AI面接を使う理由・録画を見る人・合否を決める人を書いている
- AI面接の結果だけで不合格にせず、どの段階で人が確認するかを決めている
- スマートフォンでの受験可否、所要時間、受験期限を事前に伝えている
- AI面接を受けにくい事情がある応募者向けに、別の選考方法を用意している
評価の公平性
- 評価項目と重みづけを自社で決め、承認した記録を残している
- 評価レポートで、点数の根拠となった回答を人が確認できる
- 通過率を定期的に見て、特定の層だけ極端に低いといった偏りがないか点検している
- 合否の最終判断は人が行うと社内で決めている
質問の適正さ
- 厚生労働省「公正な採用選考の基本」の事項に沿って、質問と深掘りの対象を点検した
- 家族・出身・思想・信条などに深掘りが及ばないよう、提供会社に制御の方法を確認した
- 導入前に、担当者自身がAI面接を受験して質問の流れを確かめた
個人情報
- 利用目的を特定し、受験前の画面または案内文で応募者に示している
- 録画・回答データの保管期間と、期間後の削除方法を決めている
- 応募者のデータをAIの学習に使うかどうかを契約で確認した
- 面接データを汎用の生成AIに入力してよいかの社内ルールを決めている
- 要配慮個人情報に触れる回答があった場合の扱いを決めている
拙著の第6章では、ツールが特定の担当者しか扱えない状態を会社のリスクとして取り上げ、異動や退職で担当が替わっても使い続けられるかを導入前に確かめるよう勧めています。確認する点として挙げたのは、マニュアルが整っているか、ITに詳しくない人でも管理画面を扱えるか、複数人が権限を持って使える設計か、の3つです。
AI面接のリスク対策も同じで、導入時に決めたルールが、担当者が替わっても守られ続けるかどうかが要になります。チェックリストの答えは、個人の記憶ではなく社内の文書に残しておいてください。
導入前に確認する契約・運用の項目
AI面接の導入前に確認する契約・運用の項目は、データの保管と削除、AI学習への利用、評価の仕組み、不適切な質問の制御、委託先としての管理体制、障害時と問い合わせへの対応、運用の担当範囲の7つです。機能や料金より先に、この項目への回答を各社からそろえると、デメリットへの備えまで含めて比べられます。
| 確認項目 | 提供会社に聞くこと | 関係するデメリット |
|---|---|---|
| データの保管と削除 | 録画・音声・回答の保管場所と期間、削除の方法 | 個人情報 |
| AI学習への利用 | 応募者や自社の選考データをAIの再学習に使うか。契約や規約に明記があるか | 個人情報・公平性 |
| 評価の仕組み | 評価項目を自社で変更できるか、評価の根拠となる発言を確認できるか | 公平性・説明責任 |
| 不適切な質問の制御 | 深掘り質問が就職差別につながる領域に入らないための制御の有無と方法 | 就職差別 |
| 委託先としての管理体制 | 情報セキュリティの認証の有無、再委託の有無、事故時の連絡体制 | 個人情報 |
| 障害時・問い合わせ | システム障害で受験できなかった応募者への対応、問い合わせ窓口の受付時間 | 応募者体験 |
| 運用の担当範囲 | 受験案内・催促・設定変更を誰が担うか。提供会社の支援が「伴走」か「代行」か | 応募者体験・運用負担 |
※ 当サイトによる整理です。回答は口頭ではなく、契約書・利用規約・提案書などの書面で確認してください。
運用を社内で回せる人がいない場合は、提供会社や採用代行会社に運用を任せる方法もあります。任せられる範囲と、外注しても自社に残すべき判断は「AI面接の運用代行とは?」で整理しています。入社後の1on1や面談をAIに任せる場合も、同じように利用目的とデータの扱いを決めておく必要があります。その仕組みは「AI面談とは?」で解説しています。
主要なAI面接ツールを、運用代行・伴走支援や導入スピードなどの軸で比べた結果は「AI面接ツール 中小企業向け比較」にまとめています。候補を絞ったら、上の確認項目を各社に同じ形で尋ねてみてください。
よくある質問
AI面接の主なデメリットは、応募者がAIに評価されることに抵抗を感じて受験意欲が下がるおそれ、評価の根拠が見えにくく公平性を説明しにくい点、録画や回答など扱う個人情報が多い点です。質問と評価基準を事前に決め、合否を人が判断し、利用目的を受験前に示すことで小さくできます。
AI面接の印象は応募者によって分かれます。マイナビの2027年卒調査(2026年4月、有効回答1,258名)では、AI面接を提示されると受験意欲が下がる学生が51.1%、変わらない学生が42.1%でした。下がる理由は「人に評価してほしいから」が最多で、合否を人が判断することを事前に伝えると不安を和らげやすくなります。
AI面接の評価は、面接官ごとの好みや気分によるばらつきを抑えやすい一方、学習データや評価基準に偏りがあれば、その偏りが繰り返されるおそれがあります。公平性を保つには、評価項目を自社で決め、評価の根拠を人が確認でき、合否は人が最終判断する設計にすることが欠かせません。
AI面接の個人情報で注意することは、録画や回答の利用目的を特定して受験前に応募者へ示し、その範囲内でだけ使うことです。個人情報保護法に加え、採用では職業安定法第5条の5と指針により、思想・信条や労働組合への加入状況などの収集は原則として認められていません。保管期間とAI学習への利用の有無も契約で確認してください。
日本では、AI面接だけを対象にした法律は確認できませんでした(2026年10月時点)。運用にあたっては、個人情報保護法や職業安定法など、採用と個人情報に関する既存の法令に沿う必要があります。総務省と経済産業省は「AI事業者ガイドライン」も公表しています。海外ではEUのAI規則が採用に使うAIを高リスク用途に分類し、人による監督などの義務を課しています。
まとめ
AI面接のデメリットは、応募者体験の低下、評価の公平性と説明責任、就職差別につながる質問のリスク、個人情報の取り扱い、海外規制への対応の5つに整理できます。マイナビの2027年卒調査では、AI面接を提示されると受験意欲が下がる学生が51.1%で、理由の上位は「人に評価してほしいから」でした。
対策の軸は、AI面接を使う理由と人が判断する段階を応募者に伝えること、評価項目を自社で決めて根拠を確認できるようにすること、厚生労働省「公正な採用選考の基本」に沿って質問の禁止領域を設けること、個人情報保護法と職業安定法第5条の5に沿って利用目的を示しデータの扱いを決めることです。
導入前には、データの保管と削除、AI学習への利用、評価の仕組み、不適切な質問の制御、委託先としての管理体制、運用の担当範囲を、提供会社ごとに書面で確認してください。デメリットへの備えまで含めて比べると、自社に合うツールが見えやすくなります。
主要なAI面接ツールを、費用・中途採用への対応・導入のしやすさに加え、運用代行・伴走支援、導入スピード、採用後の活用の軸で比較した記事を用意しています。
AI面接ツールの比較記事を読む ›

AI面接の導入を手伝っていて感じるのは、デメリットそのものより「デメリットを誰も説明できない状態」のほうが危ないということです。応募者に「なぜ落ちたのか」と聞かれて、AIがそう判断したとしか答えられない。そうなってから慌てる会社を見てきました。だからこの記事は、怖がらせるためではなく、説明できる状態をつくるために書いています。